最近技術ネタばっかだったので、12月だし趣向変えて今年Kindleで 読んで面白かった事件、犯罪系ノンフィクションをまとめてみる。 (今年Kindleで発売された作品なので2013というくくりにしてます)
有名な題材ばかりなので、まとめサイトとかで読んだことある人も多いと思いますが、 ちゃんと取材をもとにして、きっちり書かれたものを読むと結構印象が違う。
タイトルでオススメとか書いてますが、紹介する作品は明るい話ではないので、気分が沈んでるときに読むのはオススメしない。 でも実際にあった出来事の話なので、知っておいて損は無いと思う。
凶悪―ある死刑囚の告発―
最近映画にもなっていたやつ。雑誌記者が嘘か本当か分からない殺人犯の証言をもとに、検証をしていき警察を動かしていくさまが読んでいて引き込まれる。 最後の方に”先生”の写真が載っていて、街中にいそうな見た目ごく普通のおっさんがこんなに恐ろしいことをしてるのかと思ったのと、 こういう事件ってのは誰にも気づかれてないだけで、現代の日本で発生しているというのが怖い。
内容紹介
人を殺し、その死を巧みに金に換える“先生”と呼ばれる男がいる──雑誌記者が聞いた驚愕の証言。だが、告発者は元ヤクザで、しかも拘置所に収監中の殺人犯だった。信じていいのか? 記者は逡巡しながらも、現場を徹底的に歩き、関係者を訪ね、そして確信する。告発は本物だ! やがて、元ヤクザと記者の追及は警察を動かし、真の“凶悪”を追い詰めてゆく。白熱の犯罪ドキュメント。
八甲田山死の彷徨
高倉健が主演で映画化されている「八甲田山」の原作。日本陸軍の雪中訓練で、参加者210名中199名が死亡した八甲田雪中行軍遭難事件の話。 リーダーが無能だったのもありますが、当時は雪山に対する怖さとか凍傷に関しての知識が無かったりで、バッタバッタと人が死んでいく描写が強烈。軍隊って言うのは本当に特殊な集団なんだなーと。リーダーシップ論とかの題材にも使われているので、そういった視点で読んでも面白い。
内容紹介
日露戦争前夜、厳寒の八甲田山中で過酷な人体実験が強いられた。神田大尉が率いる青森5聯隊は雪中で進退を協議しているとき、大隊長が突然“前進”の命令を下し、指揮系統の混乱から、ついには199名の死者を出す。少数精鋭の徳島大尉が率いる弘前31聯隊は210余キロ、11日間にわたる全行程を完全に踏破する。両隊を対比して、自然と人間の闘いを迫真の筆で描く長編小説。
羆嵐(新潮文庫)
日本史上最大規模の獣害(じゅうがい)事件、三毛別羆事件の話。 これを読むまで熊(クマ)と羆(ヒグマ)について、別段区別して考えていなかったんですが、読んでみるとヒグマは危険度の次元が違うというか、 狙われたら終わりみたいな絶望感があってヤバい。人間でも頭おかしい人いるのと同じで、ヒグマの中でも頭おかしいのがいるのは当然で、たぶんそういった類いの話だと信じたい。
内容紹介
北海道天塩山麓の開拓村を突然恐怖の渦に巻込んだ一頭の羆の出現! 日本獣害史上最大の惨事は大正4年12月に起った。冬眠の時期を逸した羆が、わずか2日間に6人の男女を殺害したのである。鮮血に染まる雪、羆を潜める闇、人骨を齧る不気味な音……。自然の猛威の前で、なす術のない人間たちと、ただ一人沈着に羆と対決する老練な猟師の姿を浮彫りにする、ドキュメンタリー長編。
桶川ストーカー殺人事件―遺言―
ストーカー系の事件が発生すると必ず出てくるストーカー規制法が制定されるもとになった事件の話。 タイトルと表紙が怖い感じなので、凄い損をしている感があるんですが、警察の腐敗と事件の真相を暴いた内容が素晴らしく是非読んで欲しい一冊。
週刊誌記者が警察よりも早く犯人に辿り着き、真相に迫っていくので緊迫感がかなりあるし、執念が凄い。 週刊誌記者というと何となくゲスい感じに印象しか持っていなかったが、こういうちゃんとしたことをやっている人もいるんだなーと。
内容紹介
ひとりの週刊誌記者が、殺人犯を捜し当て、警察の腐敗を暴いた……。埼玉県の桶川駅前で白昼起こった女子大生猪野詩織さんの殺人事件。彼女の悲痛な「遺言」は、迷宮入りが囁かれる中、警察とマスコミにより歪められるかに見えた。だがその遺言を信じ、執念の取材を続けた記者が辿り着いた意外な事件の真相、警察の闇とは。「記者の教科書」と絶賛された、事件ノンフィクションの金字塔!
Kindle Paperwhite (第6世代) ―Wi-Fi
日本でKindleリリース直後は、作品が少なくて結構不満が多かったですが、最近は作品数も増えてきて、 上に挙げたようなしっかりした作品が読めるのでもってない人はそろそろ買うといいのではないかと思う。